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2005年 07月 16日
<要約>
長期的関係を前提とする終身雇用制では、ゲーム理論における繰り返しゲームが適用され、ノウハウや知識の共有といった協調関係が築きやすくなる。しかし、特定の人間同士が結託して不公平を生むこともあり、不祥事の温床にもなりやすい。逆に成果主義的な要素が強く、人員の流動性が高い組織では、社員は自分の利益をより重視し協調は成立しにくくなる。 いま日本には「一生一つの職場で働き続けるべき」という伝統的な志向がある一方、アメリカ並みに転職を繰り返す人もいる。この二極化は、揺れる雇用市場の現状も映し出している。 <意見> 終身雇用の利点をゲーム理論で解き明かそうとしているのが興味深い。協調を捨てて成果主義の世界に身をおく人たちはどのような人たちなのか。記事では、例としてあのライブドアの社員たちを追っている。彼らは寝袋で会社に泊まる日もあり、前の会社より給料が下がった人もいるという。しかし自分が企画した事業をやり遂げる充実感は格別だという。社員1人1人に仕事の面で大きな裁量が与えられているのである。終身雇用制度の下では、入社してしばらくの間は上司について下積みという期間がつき物だ。しかしライブドアのような会社には、もちろん個人的なスキルややる気は前提となるが、そういうものはない。そして、成果主義を好む人たちは、そういった仕事は純粋に会社のためというよりも、自分を磨くスキルアップの場として捉えている人がほとんどのようだ。それゆえ、人材の入れ替わりも激しい。ライブドアでは毎月20人前後が入社する一方で、ほぼ同数が会社を去っていくという。もし会社の成長が止まったら一気に人材が流出する可能性も否定できない。しかし、終身雇用もゲーム理論的な観点以外で大切な意味合いがある。「ものづくり」で経済を成長させ、今なお保っている日本にとって、工場に」おいて効率的な生産ラインを築くことは不可欠である。そのためには生産ラインに関わる従業員の緻密な技能形成や各従業員間のコミュニケーションが不可欠であり、そういった意味では終身雇用は有意になるのである。 終身雇用と成果主義、どちらが働く環境として良いのかは一概に言い切れない。それこそその人の仕事観・人生観に関わってくるだろう。加藤紘一氏がおっしゃっていたが、何が自分にとって幸福か考えてみるべきではないか。
by morimoo
| 2005-07-16 02:03
| コラム
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